2006年3月に閉鎖された鎌倉総合車両所(本記事では旧名称の大船工場)ですが,半年前の2005年9月10日に最後の一般公開がありました.土曜日ということもあり,家族連れでにぎわっていました.
会場の様子

深沢側の門に設置された表札.

構内案内図.左が東海道線,右が湘南モノレール側.

北側中央のトラーバーサ通路が歩道として開放.トラバーサの架線は3相用ですね.奥には保存車ナハネフ22や南武支線用の205系1000番台,101系が見えます.

検査場では地元でお馴染みの車両がラインナップ.E231系 ,113系湘南色/横須賀色,E217系が顔をそろえています.
建屋内の展示

高崎の185系<Express>のクレーン吊り下げ移動のデモが行われていました.

TC185-314の構体を所定位置に降ろした後,吊り具のカンヌキ(オレンジの横棒)をずらして巻き上げているところ.

子供用に103系廃車の落書き電車もありました.

E217の電連のフタを外して公開.半区画では5pin×5列+4pin×4列=41pinなので,全部で82pinですね.

作業場床にあったクロッシング部分.レールの突合せ方向がマチマチで,いかにもやっつけ仕事のようです.

E253がジャッキアップされて検修中でした.
E251系床下機器

Ne-05編成が入場しており,ジャッキアップ中のMc252-5の床下機器がふたを開けた状態で展示されており,機器箱内部の様子を観察することができました.どの箱内もホコリで汚れておらず綺麗だったので,フタのシールに秘密あり?

ジャッキアップの様子.DT56の空気ばね座にウマが当てがわれています.センターピンの手前の蛇腹は電送機冷却用風洞.側面から飛び出ているのはヨーダンパのステー.

このころはリチウムではなくNi-Cd電池,全電圧100Vの標記.電池電圧を1.2Vとして12個直列x7箱にすると計算が合います(1.2V × 12個 × 7箱 = 100.8V ≒100).

SC28形SIV(定格容量140kVA),DC1500V入力,φ3-440V出力.大電流用のバスバーが目立つのでこちらがパワTr側.

こちらは周辺回路の箱で,パワTr箱の左側に設置.

SIV起動装置(左)と変圧器箱(左).φ3-300V×2系統入力→φ3-440V出力およびDC出力とありますが,インバータの出力と合わないですね.矢印向きが逆ならわかるんですが.

ATS-P機器箱.右下のPCカードが複数見えるあたりがCPUセット.

こちらもATS-P箱ですが,下部の受信部1~3号が取り外されているようでした.

低圧(左)と高圧(右)の断路器箱.バーの開閉にディスコン棒が活躍.
構内展示物

車両の小移動に用いるトーイングトラクタ.ゴルフカートみたいです.タイヤだけなので線路に沿って走るのが難しそう.

同じく車両移動用のエスカルゴ.アント工業の銘板が付いており,ANT50クラスに見えます.ジャッキアップでタイヤとレール走行に切替え可能(走行方向は直交).

密連脱着器は小型のフォークリフトに専用アタッチメントで構成.

車輪の屋外展示の節銘板.マンセル式,ギブソン式は珍品.

展示してあった車輪です.現在,大宮鉄博のエントランス部分に設置されているモノと思います.
大船工場跡地は東海道線新駅(仮称:村岡駅)の隣接地として整備される予定です.古戦場→海軍工廠→国鉄工場を経て,どのような街が出現するのか楽しみですね.
(おわり)
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